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藤本伊三郎博士と日本がん登録協議会 |
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藤本伊三郎博士と日本がん登録協議会 |
藤本伊三郎博士は、昭和50年〜平成4年の間、厚生省がん研究助成金「地域がん登録の精度向上と活用」の研究班活動などを通じ、全国の地域がん登録事業の発展につながる多くの研究業績を残された、日本を代表するがん疫学者の1人でした。藤本博士は平成4年に大阪府立成人病センターを退職される前から、研究班活動だけでは、地域がん登録を開始して間もない県や、新たに開始する県まで、支援の手が回らないとの思いを抱かれるようになりました。そこで、全国の全ての地域がん登録が参加できる組織の創設に向けて周到な準備を実行され、平成4年12月に、同事業を実施していた30道府県1市が全て加入した形での、地域がん登録全国協議会(現:日本がん登録協議会)の設立が実現したのです。そして、初代理事長として、平成10年までの6年間で、協議会の礎を築かれました。(藤本伊三郎博士の詳細な足跡については、JACR NEWSLETTER No.26をご覧ください。) |
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左)国際がん登録学会から名誉会員 Honorary Membershipを授与(1993年)第16回総会(Bratislava, Slovakia)にて。左は同時に授与された米国NCIのConstance Percy氏。
右)保健文化賞(個人の部)受賞祝賀パーティー(1998年) |
時は流れ、平成25年5月、藤本博士と共に長年日本の地域がん登録をリードし、当協議会の2代目事務局長を平成7年〜10年の間、務められた花井 彩博士(本会名誉会員)から、次のような提案をいただきました。 |
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それは、「すでに鬼籍に入られた藤本博士の名を冠した、がん記述疫学研究分野の若手研究者を支援し、がん登録データを用いたがん疫学を推進するための表彰制度を当協議会の中に設置してはどうか、そして、その設立資金として、平成7年に藤本博士と共に受賞された、高松宮妃癌研究基金学術賞の副賞相当額を、当協議会に寄附したい」という申し出でした。
当協議会理事会は、花井博士からのご提案は、当会の活動趣旨に沿うものであり、有り難くこれを受け入れることとし、同年6月、本賞の開設を決定しました。そして、平成26年6月にオタワで開催される第36回国際がん登録学会で発表する若手研究者の研究成果から、その適用を開始することになりました。
当協議会は藤本伊三郎初代理事長の当会設立当初の意志を継承し、今後とも日本のがん登録事業の発展を通して、がん対策活動の支援に努めて参ります。 |
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上)WHO meeting (1981年)右は座長のDr. Giles(オーストラリア)下右)右は花井博士
WHOは、ワークショップ"Cancer Statistics in Debeloping Countries"を日本で開催。 期間中に大阪府がん登録室を見学し、大阪で開発した患者同定のComputer Softwareを使用したデータ間照合の実際を研修。藤本博士がWHOの申し入れを受けて見学会を主催。
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藤本伊三郎博士(1926-2009年)ご略歴 |
大正15年7月 |
神戸市に生まれる |
昭和20年 |
旧制第六高等学校(岡山市)卒業 |
昭和24年 |
大阪大学医学部卒業 |
昭和32年 |
大阪大学医学部助手(文部教官、公衆衛生学)
大阪大学大学院修了 |
昭和36〜46年 |
大阪府立成人病センター調査部調査課長 |
昭和46〜平成4年 |
大阪府立成人病センター調査部長 |
平成4〜10年 |
地域がん登録全国協議会 理事長 |
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主な受賞歴 |
平成5年 |
日本対がん協会賞
国際がん登録学会名誉会員 |
平成7年 |
高松宮妃癌研究基金学術賞 |
平成10年 |
保健文化賞 |
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