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胃の2次精検結果の地区間比較から精度管理対策の重要性を確認[2024.03.29]

胃の2次精検結果の地区間比較から精度管理対策の重要性を確認

分野 2.がん検診(2次予防)
活動時期 2009年
活動地域 宮城県
活動主体 宮城県地域がん登録
 
背景 胃集団検診における2次精検としての内視鏡検査の精度管理についてはこれまであまり重要視されておらず、精度管理対策の効果は明らかではない。
主な活動内容 1989-98年に(財)宮城県対がん協会による胃がん集団検診を受診し要精検とされ上部消化管内視鏡検査による2次精検を受診した195,772例について、精度管理対策に積極的に取り組んでいる同協会での精検と地元医療機関における精検の精度を宮城県地域がん登録資料との照合で偽陰性率を比較することにより検討した。また地元医療機関で精検を実施したもののうち、精度管理対策が施行されているA市と対策未施行のB市で偽陰性率を比較した。なお、偽陰性例の定義は内視鏡検査施行後3年以内に胃がんが診断されたものとした。
成果 (財)宮城県対がん協会で精検が行われた群の偽陰性率は10.8%であるのに対して、地元医療機関で精検が行われた群の偽陰性率は18.9%と高く両群の間に有意差を認めた(P < 0.05)。また、地元医療機関で精検が行われた群の中で、精度管理対策を施行しているA市の偽陰性率が13.9%である一方、精度管理対策を未施行のB市の偽陰性率は26.5%と高く、A市の偽陰性率はB市に比べ有意に低率であった(P < 0.05)。
導入および確認された制度・法律・学説 内視鏡検査において、専門医によるDouble checkと再検査の指示、撮影法指導や症例検討のための研修会への参加義務付けといった精度管理対策の重要性が示された。
主要文献 猪股芳文、加藤勝章、島田剛延、渋谷大助 偽陰性率から見た内視鏡検査の精度管理の問題点および対策についての検討. 日本消化器がん検診学会雑誌 2009; 47: 542-551.