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肺がんのリスク要因を明らかにし、その対策を提示[2024.03.28]

肺がんのリスク要因を明らかにし、その対策を提示

分野 1.がん対策・企画(1次予防),5.疫学研究・研究推進
活動時期 1985年~2013年
活動地域 大阪府
活動主体 大阪府立成人病センター、大阪がん予防検診センター
 
背景 大阪府の肺がん死亡は極めて高く、その発生要因の究明と対策の企画、実施が必要になった。
主な活動内容 1. 肺がんの罹患率、受療率、生存率の実態と推移の把握(がん登録による)
2. 肺がん検診の評価① 症例・対照研究による有効性の評価② 記録照合による精度の計測(がん登録を使用)
3. 多施設共同、症例対照研究4. 禁煙、防煙のための技術開発と実践
成果 1. 大阪府の肺がんは、急速に増加しつつある。早期診断のための検査の実施率は向上したが、早期がんの割合の増加は少なく、手術率は僅かしか向上せず、生存率も低位に止まった。組織型は腺がんが多いが、この型も、扁平上皮がん、未分化がんに比べて、リスクは低いが喫煙によって発生することを証明した。
2. 老健法による肺がん検診について、肺がん死亡減少効果をみたところ、その程度は小さかった。また、偽陰性率は、他のがん検診に比べて大きかった。これらより、現行方式に代わるべき検診方式の開発の必要性を提唱した。
3. 各種疫学研究より、禁煙、防煙の効果の大きいことを述べた。
4. 防煙、禁煙のための技術を開発し、これらを実践した。
導入および確認された制度・法律・学説 1. 現行肺がん検診の効果が不充分であること、を報告した。
2. ヘリカルCTによる検診が試用されている。
3. 腺がんも喫煙と関連することを、わが国で初めて報告した。
4. 禁煙の具体的方策を開発、試行した。
5. 「健康日本21」において、タバコ対策を推進するよう、とりきめられた。
主要文献 1. 藤本伊三郎,他:がん対策の評価と今後の課題—肺がん対策を例として—.癌の臨床,39(4),341-351,1993.
2. 中村正和,他:組織型別にみた肺癌と喫煙との関係.肺癌,26(2), 137-148, 1986.
3. Sobue, T., et al.: Int. J. Cancer, 50, 230-237, 1992.
4. 中村正和,他:スモークバスター.ぱすてる書房,大阪,1991.
5. 中村正和,他:個別健康教育禁煙サポートマニュアル.法研,東京,2000.