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日本がん登録協議会 > 県内の肺がんに関する実態調査 |
県内の肺がんに関する実態調査[2024.03.28] |
県内の肺がんに関する実態調査
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分野 |
4.がん統計 |
活動時期 |
1999年~2000年 |
活動地域 |
長崎県 |
活動主体 |
長崎県がん登録室、長崎県総合保健センター、長崎県福祉保健部 |
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背景 |
長崎県における平成10年のがん死亡率は人口10万対281.0と全国ワースト8位であり、そのうち肺がんによる死亡者が809人と1位であった。肺がんの一次予防・二次予防を推し進めていく上での基礎資料とすべく、肺がんの罹患及び肺がん検診受診状況等の実態調査を行なった。 |
主な活動内容 |
1. がん登録データに基づく1985-1996年の12年間における本県の肺がん罹患実態調査。
2. 県内4地域に住む40-70歳代男女3,000人を無作為に抽出し、胸部レントゲン検査受診状況等のアンケート調査を郵送にて行なった。 |
成果 |
1. 罹患調査: (1)罹患率: 罹患率男女とも罹患数、粗罹患率は年々上昇していたが、年齢調整では男性において1994年以降減少に転じていた。女性では変動は認められなかった。年齢調整罹患率の地域比較では全県に対する相対値が男性では0.8-1.2、女性では0.5-1.2と若干の地域差が認められた。(2) 組織診断の内訳: 組織診断の判明している症例(全体の72.3%)についての内訳は、男女とも腺癌が最も多かったが、男性では腺癌と扁平上皮癌がほぼ同数であった。12年間の推移をみると男女とも腺癌の増加が認められた。(3) 診断時のstage: 男性では限局15.4%、隣接臓器浸潤6.1%、領域リンパ節転移17.4%、遠隔転移21.7%、不明39.4%であった。女性では各々、16.8%、4.0%、14.8%、21.8%、42.5%であった。(4) 治療: 手術例の割合は男性27.6%、女性28.7%であった。治癒切除例の割合は男性14.4%、女性16.0%であった。12年間の推移では男女とも治癒切除例の割合が男性12.2%→16.3%、女性13.3%→18.3%とわずかではあるが増加していた。 (5) 診断契機: 男性では集検発見例11.0%、人間ドック3.2%、その他の偶然発見例8.5%、自覚症あり48.0%、不明29.3%であった。女性については各々12.9%、4.1%、8.5%、40.1%、34.3%であった。 (6) 予後1985-1993年に肺がんと診断された患者の内DCO症例を除く第1発生がんを対象としてカプラン・マイヤー法により生存率を求めた。死亡および死因の確認は、1998年12月までに県内で得られた全死亡小票との照合により行なった。5年生存率は男性15.4%、女性21.9%、検診発見例等の偶然発見例は32.5%、自覚症例は10.6%、1985-1990年罹患者は16.1%、1991-1993年罹患者は19.3%と、若干の予後の向上が認められた。
2. アンケート調査: (1) 職場の規模(従業員数): 20人以下43.1%、21-299人36.3%と小規模の職場に勤める者が多かった。(2) 過去2年間の胸部レントゲン検査歴: 76.5%が「あり」で、場所は病院・診療所が53.5%と最も多かった。市町村と答えた者は全体の9.2%であった。その目的は健診が68.8%、自分の病気のためが30.3%であった。 (3) 過去2年間の喀痰検査歴: 16.0%が「あり」で、場所は病院・診療所が60.8%、目的は57.1%が健診、42.2% が自分の病気のためであった。 (4) 喫煙: 現在の喫煙状況は男性の46.2%、女性の11.1%が吸っていた。喫煙本数は何れの年代も11-20本が最も多かったが、50歳代では40、60、70歳代と比べ、21本以上とする人の割合が44%と高かった。 |
導入および確認された制度・法律・学説 |
上記成績は「九州北部三県がん対策調査研究事業報告」としてまとめられ、県内の保健医療関係機関に配布された。 |
主要文献 |
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