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日本がん登録協議会 > 原爆被爆者の第二原発がん発症のリスクを検証
原爆被爆者の第二原発がん発症のリスクを検証[2024.03.29]

原爆被爆者の第二原発がん発症のリスクを検証

分野 5.疫学研究・研究推進
活動時期 2010年
活動地域 広島・長崎
活動主体 放射線影響研究所(広島、長崎)
 
背景 放射線影響研究所(放影研)の疫学調査では、原爆放射線被ばくが多くの部位のがんリスクと関係していることについて、いくつもの報告がなされてきた。しかしながら、原爆放射線被ばくと多重原発がんリスクについてはこれまで一度も報告はなされていなかった。
主な活動内容 原爆被爆者において放射線被ばくに伴う第一原発がんならびに第二原発がんリスクについて詳細な解析を行った。
成果 対  象:放影研において追跡を受けていて、DS02にて被ばく線量が
     判明している寿命調査集団の77,752人
調査期間:1958年1月〜2002年12月
線量体系:DS02
アウトカム情報:広島・長崎のがん登録情報
結  果:
1. 固形がんでは、第一原発がんならびに第二原発がんと放射線被ばくとには同様の線形の線量反応が認められた。
2. 固形がんの1Gyあたりの過剰相対リスクはそれぞれ0.65(95%信頼区間:0.57-0.74)と0.56(95%信頼区間:0.33-0.80)であった。固形がんでは放射線に関連した過剰相対リスクは第一原発がんと第二原発がんとで差がみられなかった。
3. 白血病では1Gyあたりの過剰相対リスクはそれぞれ2.65(95%信頼区間:1.78-3.78)と3.65(95%信頼区間:0.96-10.70)であった。
4. 男性では約70歳まで、女性では約80歳までバックグラウンドの罹患率は第二原発がんの方が第一原発がんより高い傾向がみられた。
5. これまでの調査研究で放射線により感受性が高いといわれている白血病ならびに肺、結腸、女性乳房、甲状腺、膀胱などの部位の第二原発がんと被ばく線量とに強い関連が認められた。
導入および確認された制度・法律・学説
主要文献 Li CI, Nishi N, McDougall JA et al. Relationship between Radiation Exposure and Risk of Second Primary Cancers among Atomic Bomb Survivors. Cancer Res 2010;70:7187-98.