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がん登録資料を用いた子宮がん集団検診の精度管理[2024.03.28]

がん登録資料を用いた子宮がん集団検診の精度管理

分野 2.がん検診(2次予防)
活動時期 1993年
活動地域 兵庫県
活動主体 兵庫県地域がん登録(老人保健福祉事業に関する調査研究等事業)
 
背景 子宮頚がんのスメア細胞診による集団検診は昭和30年代後半から行われているが、検診の精度(見落とし率)についての検討がなかった検診を効果的に進めるためには検診の精度を高く保つ必要があり、そのための資料が必要であった
主な活動内容 1. 地域がん登録ファイルと兵庫県立成人病センター検診センターの子宮がん検診受診者ファイルとの記録照合により、精検不要群から検診後の子宮がん罹患者を抽出した。(検診外の医療機関での発見及び次年度以降での検診での発見)
2. 上記罹患者の精検不要であった最終検診から診断までの期間、発見時進行度、予後
3. 集検受診者からの子宮体がん、卵巣がん罹患者の有無及び診断活動時期、診断時進行度、予後
4. 検診精度の測定
成果 1. 86年度受診者22,627人、87年度受診者22,546人と兵庫県がん登録資料(1986年4 月-1990 年3月診断患者)とを照合した。
2. 最終検診で精検不要であった群から調査期間内に検診外で子宮頚がんと診断された者は4人(上皮内がん1人、浸潤がん3人)、次年度以降での検診発見者は19人(上皮内がん7 人、浸潤がん12人)
3. 検診外で1年以内に発見された者は1人(上皮内がん1)、次年度の検診での発見がんは9人(上皮内がん 2、浸潤がん 7−Ⅰa 期 5、Ⅰb 期 2)
4. 子宮体がんは検診で2例発見されているが検診外発見の方が多く、発見活動時期は最終検診から1年以内3人、1-2年2人、2年以上1人であった。
5. 卵巣がんは検診外で1年以内に4人、2年以上で2人発見され、内5人が死亡していた。
6. 次年度検診発見者と1年以内に検診外で発見された者を偽陰性例とすると偽陰性率は上皮内がんを除く頚がんを偽陰性例とする時9.2% 上皮内がんを含む頚がんを偽陰性例とする時12.7% 上皮内がんを除く頚がん、体がんを偽陰性例とする時11.5% 上皮内がんを含む頚がん、体がんを偽陰性例とする時15.9% 。
7. これらの結果から子宮頚がんについては毎年あるいは隔年に受診すれば現在の方式で集検の精度は十分保たれている。浸潤がんで発見された者も1例を除いては1期であり治癒可能である。
8. 体がん、卵巣がんについては現在兵庫県で行われているスメア細胞診のみでは発見できない。有効な方策を検討すべきである。
導入および確認された制度・法律・学説
主要文献