|
日本がん登録協議会 > がん登録データと肝炎抗体検査の記録照合によって、肝がんの発生リスクを研究し対策を実施 |
がん登録データと肝炎抗体検査の記録照合によって、肝がんの発生リスクを研究し対策を実施[2024.03.28] |
がん登録データと肝炎抗体検査の記録照合によって、肝がんの発生リスクを研究し対策を実施
|
分野 |
1.がん対策・企画(1次予防),5.疫学研究・研究推進 |
活動時期 |
1975年~2013年 |
活動地域 |
大阪府 |
活動主体 |
大阪府立成人病センター、大阪肝炎・肝硬変研究会 |
|
|
背景 |
大阪府の肝がん、肝硬変の死亡率が高いため、肝がん、肝硬変の原因を究明し、対策をたてる必要があった。 |
主な活動内容 |
1. 地域がん登録ファイルとHBs抗原陽性者、HCV抗体陽性者との記録照合による肝がん発生リスクの研究
2. 肝がん早期発見のための検診システムの開発
3. 上記システムを用いての肝がん発生原因の研究
4. 大阪地区の肝がん患者の調査
5. その他の疫学調査 |
成果 |
1. HBs抗原陽性者、HCウイルス抗体陽性者の集団ファイルと、がん登録ファイルとの記録照合により、これら陽性者からの肝がん発生率が著明に高いことを明らかにした。
2. 大阪地区では、HBウイルス関連肝がんは次第に減少しつつあること、HCウイルス肝がんは、なお暫く増加するが、やがて、減少すると予測された。一般的な保健衛生の向上に加えてインターフェロン治療により、減少はさらに加速されるものと考えている。 |
導入および確認された制度・法律・学説 |
1. HBウイルス母児感染防止事業が創設された。
2. HBs抗原陽性者に対する保健指導活動が始められた。
3. HCウイルス抗体陽性者に対するインターフェロン治療により肝がん発生リスクを半減しうると判断された。
4. 肝がん早期発見のための超音波による検診システムによる肝がん死亡減少効果について、比較対照試験が進行中。 |
主要文献 |
1. 日山與彦、他:わが国における肝がんの急増とその対策—大阪府における疫学研究成果からの考察.癌の臨床,41, 215-231, 1995.
2. Tsukuma, H., et al.: Risk factors for hepatocellular carcinoma among patients with chronic liver disease. New Engl. J. Med., 328(25), 1797-1708, 1993.
3. Tanaka, H., et al.: Cumulative risk of hepatocellular carcinoma in hepatitis virus carriers: statistical estimations from cross sectional data. Jpn. J. Cancer Research, 85(5), 485-490, 1994.
4. Tanaka, H., et al.: Effect of interferon therapy on the incidence of hepatocellular carcinoma and mortality of patients with chronic hepatitis C: a retrospective cohort study of 738 patients. Int. J. Cancer. 87, 741-749, 2000.
5. Inoue, A., et al.: Effectiveness of Interferon Therapy for Reducing the Incidence of Hepatocellular Carcinoma among patients with Type C Chronic Hepatitis. J. Epi. 87, 741-749, 2000.
6. Tanaka, H., Tsukuma, H., et al.: Prospective study on the risk of hepatocellulan carcinoma among hepatitis C virus-positive donors focusing on demographic factors, alanine aminotransterase level at donation and interaction with hepatitis B virus. Int. J. Cancer. 112, 1075-80, 2004. |
|
|
|
|
< 前の記事へ |
次の記事へ > |
|
|