免疫療法

免疫療法(まだほとんどの免疫療法では有効性(治療効果)が認められていません)

現在、標準治療に続く治療として注目を集めているのが免疫療法と呼ばれるものです。しかし、効果が明らかな免疫療法は限られています。一口に「免疫療法(広義)」と言っても、効果が証明され保険診療になっているものと、効果が確認されていないものがありますので慎重な確認が必要です。

私たちのからだの中には、白血球という免疫を担う細胞がいます。この白血球には好中球やリンパ球、さらにはリンパ球に含まれるT細胞・B細胞・NK細胞など多くの種類があり、日々のからだの中の異物を排除してくれています。がん細胞も免疫細胞の排除対象なのです。健康な人でも、毎日おおよそ5,000個もの細胞ががん化しているといわれています。しかし、がん細胞のほとんどは、これらの免疫を担当する細胞が排除するため、大きくなることがないわけです。こうした免疫のしくみを利用した治療が免疫療法です。

大きく分けると、がんだけを狙い打つ「特異的免疫療法」と非特異的な免疫力を高め、免疫力の底上げをして抗腫瘍効果を期待する「非特異的免疫療法」があります。この特異的免疫療法に、ペプチドワクチン療法があります。

免疫療法を受けるには、クリニック、大学病院などの臨床試験、先進医療制度などの方法があります。

神奈川県立がんセンター がんワクチン・免疫センター

がんワクチン・免疫センター直通:045-520-2227(月~金 9:00~16:00 祭日を除く) Eメール:wakuchin@kcch.jo
※がんワクチンは未だ保険承認されていないため、がんセンターではワクチン治療を臨床試験や治験として実施しています。そのため、対象となる疾患や病態が限られます。

詳しくは神奈川県立がんセンターのがんワクチン・免疫センターやお近くのがん相談支援センターに問い合わせください。

編集・監修 片山佳代子『がんと共にあゆむ~はじめて「がん」と診断された患者さんへ~』第5版(2019年)
発行:がん医療と患者・家族を支援する会