群馬県施設別生存率 群馬大学医学部附属病院 2007-2008年症例

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全体について

【外科診療センター】
治療内容が明記されておらず(手術率は記載されているが)、治療内容の詳細等が不明のため、単純な施設間比較は難しい可能性がある。
また、当院は病院の特性上、多数の、あるいは重篤な併存疾患等を持つ症例や同時性・異時性多発癌を科横断的に治療することが多い傾向にあり、全生存率における他病死が多いことに留意する必要がある。Cancer specific survivalを示していただくと癌治療そのものの成績をより反映すると考える。
(外科診療センター 桑野博行/内科診療センター 久田剛志、前野敏孝)

胃がん(C16)5年相対生存率

【外科診療センター】
II期、III期、IV期の生存率がやや低い傾向がある。III期はIIIAとIIIB(当時の胃癌取扱い規約第13版)で生存率が大きく異なるため、今回の症例のIIIAとIIIBの分布がどのようになっているか考慮する必要がある。II、III期は症例数が少なく、生存率データは統計学的信頼性に欠ける可能性がある。また、大学病院の特性上、心疾患、糖尿病、腎不全などの高リスク症例や同時多発癌症例が多く含まれることから、特に集学的治療を要する高度進行胃癌(特にIV期)においてbest supportive careのみとなった症例も含まれ、また全ステージにおいて他病死の多さが全生存率に寄与していると考えられる。

大腸がん(C18-20)5年相対生存率

【外科診療センター】
併存疾患を持つ高リスク症例や同時多発癌症例が多く含まれていることに留意が必要と考える。

肺がん(C33-34)5年相対生存率

【外科診療センター】
全がん協により発表された、2004-2007年に新規に肺癌と診断された症例の臨床病期別5年相対生存率の報告によると、I期:82.9%、II期:48.2%、III期:22.1%、IV期:4.9%、全症例:43.8%、手術率:47.6%とされている。比較すると、当院の生存率はI期、II期ではわずかに低く、III期、IV期では同等であることが分かる。当院は放射線治療が盛んであり、全国調査と比較しI期、II期症例には放射線治療症例が多く含まれることがその一因であると考えられる。肺がんは、他臓器のがんと比較して5年生存率の良くない疾患であるが、群馬県においても同様である。
【内科診療センター】
当院における肺がん症例数は多く、特にI期の患者数が多くみられる。
I期/Ⅳ期比が高く、肺がん手術症例数が多いことは、当院の手術施設としての役割が大きいことを示すものと考えられる。
I期は呼吸器外科、IV期は呼吸器・アレルギー内科が主に担っているものと思われるが、内科・外科ともに、他施設と比べても治療成績はおおむね良好であり、相対生存率は高い。

乳がん(C50)5年相対生存率

【外科診療センター】
症例数が少ない群(100例以下)での生存率データは信憑性に欠ける可能性がある。

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